学会・研究会概要

代表世話人からのご挨拶

 花﨑 和弘 高知大学医学部附属病院 病院長
 小谷 穣治 神戸大学大学院外科系講座災害・救急医学 教授

 2019年7月より歴史と伝統に輝く本研究会の代表世話人を小谷穣治教授(神戸大学大学院医学研究科外科系講座災害・救急医学分野)と共にさせていただいています。前代表世話人の太田哲生先生および北島政樹先生のご意思を引き継ぎながら、本研究会発展のために精一杯取り組んでいます。引き続きまして皆様からのご指導とご厚誼を賜ります様、何卒よろしくお願い申し上げます。
本研究会は小川道雄先生、平澤博之先生をはじめとする我が国の侵襲学の礎を築かれた錚々たるメンバーの皆様が名を連ね、2021年度までは「外科侵襲とサイトカイン研究会」という名称でした。2021年10月の世話人会にて侵襲は外科に限ったものではなく、救急・集中治療、周産期、小児科をはじめ様々な領域においても重要なテーマであるというご意見をいただきました。議論を重ねた後、2022年度より更なる発展を目指して「侵襲とサイトカイン研究会」の新名称にてスタートしています。
昨今、侵襲に伴う術後合併症が発症した場合、重篤であればあるほど術後の短期手術成績だけでなく、長期手術成績(予後)にも悪影響を及ぼすと報告されています。特に術後の感染性合併症は致死率を上げるだけでなく、術後の早期再発や長期予後不良因子として注目されています。「外科手術は感染症との戦いである」「感染症を制するものは腫瘍も制する」という数々の名言が生まれた背景にはこうした外科侵襲に伴う免疫能の変化が誘因となって発症する術後感染性合併症や臓器障害がいかに手術成績や重症病態の治療成績に大きなインパクトを与えるのかを如実に物語っています。また、進行する高齢化社会において加齢に伴う侵襲反応の変化とその制御も重要なテーマとなっています。そうした意味で本研究会のexistence valueやidentityは、今後益々高くなっていくものと確信しています。
本研究会は発足以来、外科医療や救急・集中治療に代表される侵襲に関する病態についてサイトカインを中心に検討して参りました。サイトカイン研究に関しては、岸本忠三先生(大阪大学)が発見したIL-6をはじめ日本人が世界に先駆けてエビデンスを積み重ねてきた「お家芸」とも言える基盤研究もあります。加えて昨今はサイトカインに留まらず様々な指標やバイオマーカーを中心に多種多様な研究が展開されています。本研究会で発表された様々な領域の侵襲学とサイトカインに関する新知見を英語論文化して世界へエビデンスとして発信することこそ本研究会の最大の意義と考えます。
ご存じのように本研究会は第23回(2016年7月開催)より日本外科代謝栄養学会との合同開催を実施しております。「一粒で二度美味しい」と参加者の皆様からは好評です。これからも本研究会のあり方や将来構想を見据えながら、日本外科代謝栄養学会の亀井 尚理事長とも協働しながら本研究会発展のために取り組んでいく所存です。
引き続きまして、皆様から格別なご支援とご協力を賜ります様、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

2023年4月吉日  代表世話人 小谷穣治、花﨑和弘(文責)



侵襲とサイトカイン研究会事務局:

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